故障者続出の日本ハムを、フレッシュマンズが救った。13日ソフトバンク3回戦(札幌ドーム)の2回、プロ初昇格初スタメン出場の5年目森本龍弥内野手(22)が初打席で初安打をマーク。チャンスを広げて2試合連続スタメンの3年目清水優心捕手(20)が、プロ初打点となる左前適時打を放った。4回にはルーキー石井一成内野手(22)にも適時打が飛び出すなど若手が躍動。ドラフト2位トリオで、今季初の連勝&カード勝ち越しを決めた。

 この一打に、かけていた。2回2死一塁。森本がプロ初打席へ向かった。5年目で初昇格即スタメン。札幌ドームの外はふぶくほどの寒さも、汗が止まらない。極度の緊張も、強い決意は見失わなかった。「このチャンスを自分のものにしたい」。バンデンハークの149キロ直球を痛烈なライナーで左前へ運んだ。待望のプロ初安打が生まれた。

 12年ドラフト2位で入団した。当時の1位は大谷。「入った時はライバル視していたけど、あのレベルはやっぱり無理」。1軍で活躍する同期の陰で2軍生活が続いた。15年12月には右手首を手術。故障明けの昨季は2軍戦で自打球が顔に直撃し、骨折。「半年くらい野球が出来なかった」。リハビリ中は、球団が鎌ケ谷で若手向けに行う座学にも真剣に取り組んだ。「ゴルゴ松本さんが来た時の漢字の話とか、すごく勉強になった」。今季はイースタン・リーグ15試合出場で3本塁打。「しっかりやっていればチャンスは来る」と、この日を待っていた。