遅れてきた大谷世代の安打が、若くエネルギッシュな流れを呼び込んだ。続く清水も燃えた。「森本さんが打って(この試合は)負けられないと思った」と、左前適時打。森本と同学年の新人石井一も4回に左前適時打。「何か若い力で出来ないかなと思っていた」と、フレッシュなパワーがさく裂した。

 試合後は3人そろって、初めてのお立ち台に上がった。初々しく、真面目に話す姿に栗山監督は「しゃべり方、勉強しないとね」と課題を与えたが、グラウンドで見せたプレーぶりには「必死に野球をやるしかない。そういうのを、みんな見せてくれた」と、うれしそうだった。3人のフレッシュマンズも含めて、チームの若手から故障離脱した中田へ「中田さんが帰ってくるまでに借金を0にしておきます」と、力強く伝えた。

 大谷ら主力が離脱の中、今季初の連勝、カード勝ち越しで借金は4。森本は言った。「次、ファームに落ちたら、いつ呼ばれるか分からない。目の前のやることを、しっかりやります」。若くて泥臭い必死さが、きっと苦境を打破する力になる。【木下大輔】

 ◆日本ハムのドラフト2位指名 この日安打を放った3選手のほか、現行の制度に変わった08年以降、08年榊原諒投手、09年大塚豊投手、10年西川遥輝内野手(現外野手)、11年松本剛内野手、13年浦野博司投手、15年加藤貴之投手が入団している。