気持ち良すぎる菅野打ちや! 阪神が、3試合連続完封中だった巨人エース菅野に土をつけた。1回1死三塁から糸井嘉男外野手(35)が右前に先制適時打を放ち、先頭打者の高山から数えてわずか10球、試合開始4分で4戦連続完封の夢を打ち砕いた。その後も鳥谷の適時打、福留の2ランで加点。菅野に初黒星をつけ、チームは6連勝で首位をキープした。

 電光石火の攻撃が52年ぶりの偉業を打ち砕いた。1回表1死三塁。糸井がスライダーに反応した。鮮やかに体を回転させると、打球は右前に弾んだ。「先制につながってよかった。3連続完封しているピッチャーなので、点を取っていこうという話はしていた」。2球で追い込まれても、勝負強さを発揮する。しかも相手は菅野だ。リーグ単独トップとなる26打点目で、4連続完封の記録を阻止した。

 糸井が迎えた初回の打席。そこに至る過程は今季初めてのものだった。先頭の高山が二塁打で出塁。金本監督は初球から迷わずバントのサインを出した。「二塁のケースだし、本来なら右打ちやフリーに打たせたりしたが、相手が菅野。そんなに簡単に打って打って…、では取れない。糸井が犠牲フライでも打ってくれるかなと」。北條が投前に転がし、走者を三塁に進める。開幕31試合目で初めて初回に犠打を記録した。