日本ハムが打線奮起の逆転勝ちで、ホーム8連勝を飾った。ソフトバンク7回戦(札幌ドーム)で3点を追う3回1死満塁、ブランドン・レアード内野手(29)の走者一掃の適時二塁打で同点に追いつき、大田泰示外野手(26)の6号2ランで勝ち越した。先発浦野が3回までに4失点した劣勢をはね返し、連敗を2でストップ。交流戦前の最後のカード初戦を白星で飾り、単独4位となった。

 劣勢をはね返す強さがあった。3点ビハインドで迎えた3回、日本ハム打線がバンデンハークに襲いかかった。レアードの同点二塁打の後、なお2死三塁。「イケイケの場面」。大田が初球から振り抜く。打球は左翼席へ一直線。勝ち越し2ランだ。「すごくいい流れで打席に入れた。小さくならず自分のスイングを思い切っていった結果」。祝福を受けたベンチ前では、西川とボディビルダーのように両手を下向きに筋肉誇示のポーズで喜んだ。

 ここまで3戦3勝だった浦野が先発試合は、打線に不思議な力が宿る。この日は今季初めて先制を許し、3回4失点で降板したが、打線は活発だった。2本塁打を含む10安打7得点。これで浦野先発時は4試合すべて2ケタ安打で計35得点と、攻撃力を発揮している。浦野の登板時は打率4割3分8厘の大田は「なぜかわからないけど、何とかみんなで逆転しようとあきらめない姿勢が勝った」と、後押ししている。

 25日西武戦で3点差を逆転され、連敗でホームに戻った。この日も初回いきなり3失点の追いかける展開。重苦しい空気が漂う中での逆転勝ちに、栗山監督は「このまま自分たちの形が崩されていく怖さがあったけど、みんなでつないでしっかり攻撃できた」と安堵(あんど)した。お立ち台で「サイコー」を3連発したレアードも、声を裏返らせながら「ファイターズ最高!」と絶叫した大田も、勝利の味をファンと一緒にかみしめた。

 主催試合8連勝で借金は6に減り、単独4位。12勝2敗と驚異的な勝率を誇る「ハッピーイエロー」の限定ユニホームを着用するのは残り2試合。本塁打数リーグ最多の助っ人は「チームに勢いをつけられたかな。一年中、着たいね」と上機嫌。今季最大の3点差をひっくり返した勝利に、指揮官は「今後に生かしていけるように」と先を見据えた。ホームの「幸福の黄色いユニホーム」で、交流戦前の最終カードもハッピーに締めくくる。【保坂果那】

 ◆浦野先発時のチーム打撃成績 今季の1試合平均得点は3・82点だが、浦野が先発した4試合は8・75点。ここまで2割4分2厘のチーム打率も、浦野先発時は全4試合で2桁安打をマークし3割2分1厘にはね上がる。特にレアードが13打数8安打の6割1分5厘。大田も浦野先発試合は3試合連続本塁打となり、計6本のうち4発が浦野登板時だ。16打数7安打9打点で4割3分8厘の高打率もマークする。中田、近藤もともに打率4割を記録している。