全日本大学野球連盟は17日、横浜市内で監督会を行い横浜(神奈川)渡辺元智前監督(73)を招いて特別講演を行った。渡辺氏は、同連盟に所属する36連盟の大学監督や関係者に対し、約1時間半にわたり半世紀の指導者人生について語った。駒大・太田誠元監督や、孫の佳明内野手(3年=横浜)が在籍する明大・善波達也監督(55)らも顔をそろえ「太田監督はまさに我々の教科書のような存在の方。これなら、野球に復帰した方が良かったかもしれない(笑)」と緊張をのぞかせた。

 講演テーマは「栄光より挫折 成功より失敗。勝利より敗北から学んだ50年」。98年春夏連覇など輝かしい功績を残したが、何度も壁にぶつかった。「打倒東海、打倒原(貢)さんでやってきた。就任した時、私には技術がなかった。勝つために精神を鍛える必要があった」と振り返った。昨年は、今月4日に死去した故星野仙一氏が特別講演した。面識のある渡辺氏は「星野さんもよく仰っていましたが、怒ったとしても愛情が大事。いくら技術があってもそこに心がないとだめ。厳しさに耐えられる選手を、どのようにして育てるかです」と語りかけた。