巨人鍬原拓也投手(22)はゲームセット直前まで自身の初勝利を知らなかった。5回2/3を投げ4失点で待望のプロ初白星。しかし、その裏側では関西出身ならでは? の“天然ボケ”がさく裂していた。

 6回表の攻撃でチームが2点を勝ち越し。直後の6回裏、2死からソフトバンク上林にソロを被弾。1点差に迫られて、マウンドを降りた。「6回表に勝ち越して、6回を投げきらないと勝ち投手じゃないと思っていた。途中で降板して悔しかった」と勘違い。その後、2番手で登板した中大の先輩でもある沢村がリリーフに向かう時に「絶対にお前を勝たせてやるから」と声をかけられたが、ハテナマークが頭に浮かぶ。中井や田中俊が「このまま言ったら勝ち投手だぞ」と言われてもふに落ちず、内海が「(初勝利のためにも)応援せいよ!」と言われるのが不思議でならなかったと振り返る。

 そんな状況の中、中井と田中俊が勝ち投手の条件を説明。「9回表2アウトくらいまで勝ち投手と知らなかった」とようやく自身に白星がつくことを知ったと振り返った。

 試合終了後は初めてのウイニングボールを手にし「勝たせてもらったというのが1番に来る言葉だと思います。交流戦でもローテに入らせてもらえるなら、もっと持ち味を生かしていきたい」と話した。