ソフトバンク甲斐拓也捕手(26)が今年3月に結婚していたことが21日、分かった。相手は福岡在住の元幼稚園教諭の女性(26)。13年9月から4年半の交際を経てゴールインした。日本シリーズでは6連続で盗塁を阻止してMVPを獲得。強肩「甲斐キャノン」と一躍有名となった今季は、新婚の夫人の支えがあればこその活躍だった。

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甲斐が婚姻届を出したのは今季開幕の3月30日だった。「特に今季にかける強い思いがあった。大事な試合だったので奥さんに婚姻届を出してきてもらいました」。夫人と二人三脚で正捕手2年目を戦った。

相手は福岡市在住の同学年の元幼稚園教諭。出会ったのはプロ3年目の13年4月で、背番号130の育成選手のころだった。「僕の友達の友達だった。素直にかわいいな。しっかりしているなという印象でした」。友人付き合いの時期を経て同年9月に甲斐から告白し、交際が始まった。その2カ月後の11月には育成から支配下登録された。

「野球は詳しくないですね。でも、育成のころから1人の人間として僕を見ていてくれた。素のままの自分を出せる。一緒にいて落ち着く」。初めて1軍の正捕手になった昨年の先発マスク2戦目。育成ドラフト同期の千賀と初めて組んだ4月4日の楽天戦で打ち込まれた。その後、LINE(ライン)でメッセージが届いた。「『毎日頑張っているからこそ失敗した時は悔しい。失敗することもあるけれど一緒に頑張ろう』と。うれしかったですね」。優しく、時に厳しい夫人は影のコーチでもあった。

得意の料理でも支えてもらった。一番好きなのは母小百合さん(51)直伝の卵焼きだ。卵に砂糖ではなくマヨネーズを入れ、とろみのある卵の中にベーコンを挟み込む。「これがうまいんです」とのろけた。メスのシーズー犬、3歳のハナちゃんを飼っており「この子がいるから、2人がケンカしても落ち着くんです」と笑みを浮かべた。この秋には長男となる男児も誕生した。「目は奥さん、鼻、口は僕に似ていますかね。頑張らないといけない」。大切な家族も増えた。来季はさらに進化した正捕手となるべく決意新たに挑む。

◆甲斐拓也(かい・たくや)1992年(平4)11月5日生まれ、大分市出身。楊志館から10年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。13年オフに支配下登録。17年ベストナイン、17年、18年ゴールデングラブ賞。今季は133試合、打率2割1分3厘、7本塁打、37打点。盗塁阻止率4割4分7厘は両リーグトップ。今季推定年俸4000万円。170センチ、80キロ。右投げ右打ち。