阪神が6日の広島戦(マツダスタジアム)からの1軍昇格を拒否したヤンハービス・ソラーテ内野手(32)を契約解除する方針を固めていることが7日、分かった。

2軍調整中で広島に招集したが、6日の練習中、矢野燿大監督(50)に「モチベーションが上がらない」と直訴し、帰阪を命じられていた。この日、谷本球団副社長兼球団本部長は今後について「阪神のユニホームはないと思います」と明言し、退団が確実となった。ナインはショックを吹き飛ばし、3位広島に快勝し、2・5ゲーム差とした。

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阪神は1軍昇格を自ら拒否したソラーテの背信行為を重く受け止めていた。前代未聞の騒動から一夜明けて、広島戦の試合前練習後に谷本球団副社長兼球団本部長が厳しい口調で説明した。「(事態は)重いでしょう。こんなん許したら、もう、チームが成り立たない」と言い切り、今後のプレーについて「阪神のユニホームはないと思います」と続けた。残り16試合のシーズン終了を待たず、契約解除する方針を明かした。

2軍調整中だったソラーテは5日DeNA戦後に1軍招集する方針が決まり、前日6日に広島入り。球場にも足を運んでいた。だがベンチ裏で矢野監督と話し「モチベーションが上がらない」と直訴。自ら1軍昇格を断り、1度もグラウンドに姿を見せなかった。逆転でのクライマックスシリーズ進出を目指すナインの士気に影響するため、帰阪を命じられていた。即日のとんぼ返り。この日、兵庫・西宮市内の鳴尾浜で行われた2軍残留練習への参加も認めず、姿はなかった。

6日に「不細工は不細工ですけど、しょうがない。残念は残念」と話していた谷本副社長のトーンは変わらず。すでにソラーテの代理人と今後に向けて話し合いを始めたという。この日も「2軍に行ったらモチベーションは上がるんですかね。(7日は)自宅待機。おのずと結論は出るでしょう」と言及。契約打ち切りについて「方向性はそうですね、はい」と認めた。

慢性的な貧打解消の起爆剤として7月に獲得したが拙守連発が打撃にも尾を引いた。20試合出場で打率1割8分8厘、4本塁打にとどまり、8月19日に出場選手登録を抹消されていた。入団当初、自らを「セクシータイム」と称したが大一番でまさかの参戦拒否。戦力になるどころか水を差す格好になり、まったくセクシーではなかった。谷本副社長は「ほどなく結論は出ると思います」と続けた。闘志なき者は去れ-。球団は断固たる措置を取る。NPBへの手続きなどをへて近日中に処遇を発表する。「職場放棄」した、お騒がせ助っ人の退団が決定的になった。【酒井俊作】