<オープン戦:巨人3-2オリックス>◇3日◇宇部

 しめたと思った。4回無死二、三塁のピンチ。浅い中飛を捕ると、本塁を突こうとする走者が見えた。巨人亀井義行外野手(25)は落ち着いてワンバウンドの返球。ホーム直前で刺した。「走ってくれてラッキーでした。あそこは僕の持ち味なのでミスできないと思いました」と胸を張った。この日は打撃でも3安打の活躍。1軍生き残りへの気持ちをプレーで表現した。

 原監督も「はつらつとした中にも落ち着きがある。いい戦いぶり。ある意味レギュラーに一番近い男なわけだから」と亀井を評価したが、この日の外野手陣は守備だけをとればレギュラーよりも上かも知れない。試合終盤の守備固めでは、こういう形もあり得る。いわば、もう1つの巨人だ。緒方外野守備走塁コーチは「主軸が抜けた時、そこに差がないことを見せるのが大切だ」と、強打のレギュラー陣に負けない存在感を求めた。

 シーズン中、守備範囲の狭いラミレスや右ひじの手術明けの谷に代わる守備固めの必要な試合は必ずある。その座を誰が射止めるのか。「守備固めでも何でもいいから1軍にしがみつきたい。死んでも食らいつきたい」という亀井の意地が、そこを見据えている。【竹内智信】