<中日4-0広島>◇30日◇ナゴヤドーム

 森野だ、ノリだ!

 中日が6、7番の本塁打攻勢で広島を粉砕した。4回、7番森野の2試合連続となる2号ソロで貴重な2点目を挙げれば、6回には6番中村紀の1号2ランで突き放して4ー0で快勝。初戦の9回に価値ある同点打を放った中村紀、そして2戦連続本塁打の森野。恐怖の6、7番コンビの活躍で、開幕3連戦を負けなしの2勝1分けとした中日。次戦、4月1日から昨年のセ・リーグ覇者巨人との3連戦(東京ドーム)に挑む。

 歯を食いしばって、豪快にスイングした。中村紀は6回2死二塁、長谷川の132キロフォークをすくい上げた。リードを4点に広げるとどめの2ラン。今季第1号の着弾を確認して、二塁ベース手前で両手をたたき右拳を突き出した。

 「先っぽだけどうまく拾えた。早く1本出ればと思っていたし、開幕3連戦で打ちたいと思っていた」。

 オープン戦は打率4割6厘と好調をキープしてシーズンイン。春休みを利用して3試合を観戦した家族の前で誇れるパパの1発となった。最近は長女郷香ちゃん(11)が、男の子と一緒に野球をプレーしているという。「娘は野球に興味持っているから、見るのは楽しいでしょうね。森野君や井端君が好きみたいだし。学校があるから、ライブで見ることは難しいし、打ててよかった」と喜んだ。

 その郷香ちゃんが好きな選手という森野も豪快な1発を放っていた。1-0の4回、カウント0-2から長谷川のフォークを弾丸ライナーで右翼席に運んだ。前日29日に続く2試合連続弾。「甘い球を打っているので、これを続けたい。1点でもとって投手を楽にできたら、と思った」と胸を張った。

 今季は6番中村紀、7番森野でスタートした。昨年はクリーンアップを打った2人が6番以降を担う現状に、オレ竜打線の強さがある。森野は「去年も開幕は7番だったし、7番でいいなと思っている」。左手第3中手骨骨折の森野のブランクによって、3番に繰り上がった李も打率3割8分5厘と好調。不動の3番だった福留(現カブス)が抜け、FA補強の和田が開幕から12打席連続無安打でも打線が機能している。落合監督は「これが普通でしょう。普通のことを普通にやってくれれば、ということじゃないか。たいしてびっくりもしない」と話した。

 2勝1分けで、明日4月1日から昨季リーグ王者・巨人との3連戦に臨む。中村紀は「今日は1杯ぐらい祝杯を挙げたいね。いい形で東京に乗り込んで、連勝して名古屋に帰ってきたい」と巨人3タテを宣言した。【益田一弘】