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広島栗原1発回答“降格”危機に発奮

<ヤクルト1-2広島>◇11日◇神宮

 これが答えじゃい! 不振にあえいでいた広島の栗原、シーボル両選手がともに神宮の夜空にソロアーチを描いた。栗原は4番陥落の危機を、シーボルは2軍降格の可能性を抱えていたが見事に「1発回答」を出してみせた。初先発で力投した新人篠田に貴重な2点とプロ初勝利をプレゼント。カープに6試合ぶりの白星をもたらした。沈滞ムードを代表していた2人のバットがよみがえった。

 左翼ファウルゾーンを歩く神宮独特の約90メートルのウイニングロード。栗原の顔に会心の笑みがはじけた。「今季一番の当たり?」と聞かれたときだ。

 「今季一番にしておきましょう! 久しぶりの当たりでした。会心? 会心だったでしょう。しっかりととらえられました」。

 深い暗闇の中をさまよい歩いてきた背番号5。この日ばかりはまばゆいカクテルライトと球場左半分を埋めた関東の赤ヘルファンの「クリハラ・コール」によって、その巨体が大きく輝いた。まぶし過ぎる。歓声に手を挙げて応え、ウイニングウオークを終えた。

 どん底だった。この試合まで12打席安打なし。10日の試合前は何とスタメン表に名前がなかった。雨天中止になると見越しての、ブラウン監督からの無言の「ゲキ」だった。ただの脅しではない。実際に栗原の打順降格が検討されていた。もしこの日の相手先発が右投手で、前日の練習で状態が悪ければ実行される可能性は高かった。「昨日の雨がいい方向にいったね」。天にも感謝した。

 そんなタイミングに一振りで答えを出した。2回の第1打席。石川の低めの速球を強振すると白球はバックスクリーンに一直線。「会心」と振り返ったのもうなずける「驚弾」だった。4月25日以来、13試合ぶりの先制3号ソロ。これが大きな1点になった。「先発が初先発の篠田だったので、いいリズムで投げさせてあげたかった」。しっかりと後輩を勇気づけた。

 最高のシナリオだった。シーボルも続いた。これまた絶不調が続き、この試合まで打率は2割3分6厘。2軍で中継ぎ右腕のシュルツが好調なため、首脳陣の間ではこのタイミングで一度2軍調整をさせる考えがあった。まさにこの日が「最後の審判」。助っ人にも意地がある。2打席目で結果を出した。2-0とする左翼への4号ソロだ。

 嵐のようなハイタッチを終え、指定席のベンチ左端に腰を下ろすと少し笑みを浮かべて「ふ~っ」とため息をついた。「エキサイトというより、ホッとした感じだったんだ。この2、3試合、得点圏で打てなかった。こういう形で勝ててよかった」。

 栗原とともに前日の練習では約1時間、ブラウン監督やコーチ陣に囲まれ徹底指導を受けた。シーボルは「背筋をまっすぐに伸ばして思い切り打つことを心がけた」という。9回にも中前にはじき返した。もう大丈夫だ。4番、5番のアベック弾は最後まで効いた。というより、得点はこの2点だけだった。

 6試合ぶりの勝ち星。栗原は言う。「チームに貢献できなくて情けなかった。思う気持ちがあった。これからいい形でつなげていきたい」。次は北陸。首位阪神は怖い広島を迎えることになる。【柏原誠】

 [2008年5月12日10時7分 紙面から]


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