<広島9-3阪神>◇13日◇富山

 打線が目覚めた!

 広島が苦手阪神に快勝した。先発ルイスが7回3安打無失点の好投を見せれば、打線が応えて16安打9得点。ここ5試合で6得点だったとは思えないほどつながった。4番栗原が今季初の4安打を放ち、アレックス、シーボルらもマルチ安打。ルイス自身も来日初安打初打点を挙げるオマケまでついた。

 相手の先発は2戦2敗のアッチソン。苦手の右腕を見事にKOした。2回だ。敵失につけこみ2死一、三塁とすると打席にはルイス。カウント2-2から141キロをたたくと、なんと打球は右中間を破った。来日初安打が自身を楽にする貴重な先制2点二塁打。「1本でてうれしいよ。これをきっかけにもっと打ちたいね」と野手のようなコメントだ。この日のルイスには2点でも十分な気配が漂っていたが、本番はこれからだった。

 2-0の5回、先頭天谷が左中間二塁打で出塁。続くアレックスも左翼線に二塁打。4番栗原は右翼線に二塁打。珍しい「3連続二塁打」でまずは2点。四球をはさんでルーキー小窪が5試合連続となる中前適時打。この回4安打を集中し一挙に3点。8回には6安打を集中し4点を追加。打線のつながりが快勝をもたらした。

 4番栗原はこの日、昨年7月以来の4安打を放った。中前打3本と右翼線二塁打。「センター方向を意識していた。自分の打撃ができてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。一時は12打席無安打の憂き目にもあった悩める4番。ヤクルト戦が中止になった10日、神宮の室内練習場でブラウン監督が1時間個別指導を行った。打てない時はホテルの部屋で夜1人で目をつぶっていろんなことを考えた。この日も試合前、練習の始まる前に黙々と打ち込んだ。そして4安打固め打ち。打率も2割6分9厘まで戻してきた。しかもこの日は今季初の3打点だ。「打点がつくと、(気分が)違いますね」と言う笑顔はトンネルからの脱出が近いことを感じさせた。

 「徐々にいいタイミングになってきた。とにかく自分のやっていることを続けないと」と栗原。ブラウン監督も「状態が上がってきている」と目を細める。5月反抗は、まだまだこれからだ。【網

 孝広】