<巨人5-8広島>◇17日◇東京ドーム

 右翼席への着弾を見届けた広島栗原健太は右手を高々と上げた。「本当にうれしい。9回に粘って(巨人に)追いついたので流れはこっちにあると思っていた。久しぶりに会心の当たりでした。ずっと何とかしたいと思っていた」。延長10回の勝ち越し2ラン。新4番が最後に決めた。

 開幕から何度も好機をつぶした。「正直、キツかった。(4番の)重圧がここまでとは思わなかった」。毎朝の早出特打を欠かさず、首脳陣の指導にも耳を傾け、次第に復調していった。

 妻の“猛ゲキ”も効いた。不振のどん底だった7日の夜。宿舎に帰ると夫人からメールが入っていた。「自分が自分がの気持ちが強すぎるんじゃない?

 去年はもっと表情に余裕があった。周囲を頼るくらいの気持ちでいいと思うよ」。目からウロコだった。「シーボルも前田さんもアレックスもいる。そう言われてみればそうだ」。

 チームは巨人と入れ替わって4位に浮上。4番の復調は最高の起爆剤になる。