<横浜10-5西武>◇23日◇横浜

 負けられない。チーム全員の思いを乗せたような当たりだった。1-1の初回2死走者なし。横浜村田の打球は、バックスクリーン左に飛び込んだ。先制された直後に追い付き、迎えた第1打席で勝ち越し19号ソロ。本塁打王争いトップに並んだ。「振ったら当たったような感じで、後は、よく覚えていません」。カウント2-1から、西武石井一の低めのカットボールにバットが素直に反応した。

 4番の面目躍如だ。21日の西武戦では、1-4の8回に同点3ラン。さらに延長10回、サヨナラのソロを放った。この日の1発で、初の3打席連続本塁打を記録した。どれもが勝利につながる貴重な一打。「4番がお立ち台に立たないと話にならないので」と、おどけてみせた。

 現在、球宴ファン投票でセ三塁手部門のトップを走る。過去の出場は06年の監督推薦による1回だけ。「やっぱり、ファン投票の方がいいですね」。交流戦最終カードで、パのファンに「セに村田あり」を強く印象づけた。

 27日のレギュラーシーズン再開を前に、3日間、試合が空く。24日は練習も休みだ。夫人との“約束”で、家での晩酌は安打を打った日だけ。酒豪らしく「今日はヒットを打てたので、お酒が飲めますよ。リフレッシュして頑張ります」と締めた。これからも、勝利の美酒へ打ちまくる。【古川真弥】