ソフトバンク王貞治監督(68)が26日、川崎宗則内野手(27)の疲労骨折判明に伴い、右足骨折で2軍調整中の多村仁外野手(31)の1軍復帰スケジュールを、28日のオリックス戦(福岡ヤフードーム)に早める考えを明らかにした。

 この日、多村はウエスタンリーグ阪神戦(雁の巣)に「3番左翼」でスタメン出場し、3打数2安打3打点、盗塁もマーク。王監督は多村の活躍に「盗塁もしたというからね。残り32試合、川崎が残念ながらいないけど、30試合くらいはそろってからにしたい」と語り、27日に福岡ヤフードームで行われる同2軍戦を視察し、本人と会談した上で昇格を決定する見込みだ。

 多村の復帰について王監督は24日に「9月の第1週か2週には戻れるだろう。うちは小久保、松中がいるからやはり守れないとね」と語り、外野守備に就ける状態を条件に、9月以降の復帰を見込んでいた。ただ、25日には北京五輪で左足の骨膜炎を悪化させていた川崎が、今季絶望の可能性もある「疲労骨折」の重傷だったことが判明。一方で多村が順調な回復ぶりを示しただけに「やれるかどうかは、多村本人に状態を聞くのが一番」と秋山チーフコーチも多村の意思を確認した上で合流させたい意向だ。

 この日の2軍戦には7月10日に腰痛で出場選手登録を抹消された柴原も、5番指名打者で実戦復帰。こちらも2打数2安打1打点をマークし、復調ぶりをアピールした。王監督は「(1軍の)指名打者はまだね。状態によってはひと振りの場面でどうかな」と、代打要員として1軍に招集する可能性も示唆した。「144分の32だから完全に4分の1を切ったね。これからはますますホットな戦いになる。目をつり上げてやらないと」。川崎不在を覚悟した王監督に、朗報も届いた。【中村泰三】