早く振りたきゃ歯をくいしばれ!

 秋季練習でバットスピードの高速化を目指す楽天野手陣が28日、来季からのマウスピースの使用を検討し始めた。

 この日、バットスピードを計測中に記録が伸び悩んでいる渡辺直に、橋上ヘッドコーチが紙コップの切れ端を手渡し「これをかみながら振ってみろ」と提案。するとこれまで最速128キロだったところ、一気に5キロアップ。最速137キロの横川も疲労からスピードが131キロと鈍っていたが、4キロもアップした。楽天野手陣が使わずにいたマウスピースが、来季の長打力アップの秘策となる。

 あまりの効果に驚きの声が上がった。渡辺直は紙切れをくわえたままひと振りすると、いきなり自己記録を更新する131キロ。続く2スイング目で133キロをマークした。「すごいっすね。シーズン中もこれをかみながらやろうかな。ガムが大丈夫ならOKでしょ」。橋上ヘッドコーチも「マウスピースと同じ原理。歯並びの問題じゃなくて、食いしばれると力が入るんだろう」と笑顔で説明した。連日、ひたすらスイングスピードアップに汗を流す野手陣に、マウスピース効果が加われば、目標の5キロどころか10キロアップも夢ではない。【小松正明】