「ナベQ再生工場」第2弾だ。アジアシリーズを制した西武渡辺久信監督(43)が中継ぎ補強に動いた。17日、今季ヤクルトを戦力外となった上原厚治郎投手(25)の入団テストを行い、合格を即決した。獲得を決めている元横浜の左腕土肥に続き、4年目の未勝利右腕再生に乗り出す。

 渡辺監督は西武室内練習場で上原の投球を視察した。「シュートがいい。おもしろいね」。右打者に食い込むシュートは最速144キロをマークした直球と変わらぬ勢いがあった。投手コーチ、編成担当とも意見は一致。登板を終えた上原と握手し、テスト合格を告げた。

 上原は今季ヤクルトで4試合に登板。球団の方針で野手に転向し、今秋のフェニックスリーグでは内外野以外に捕手でも4試合に出場した。だが投手で勝負したい思いが強く、戦力外を希望。11日に受験したトライアウトにかけていた。「増渕や由規の球も受けました。大変だったけど、打者が何を嫌がるか、どうすれば抑えられるか勉強になりました」。未経験の捕手転向で苦労した分、成功のヒントもつかんだ。後がない必死な思いも伝わった。渡辺監督は「中継ぎで使うよ」と来季の構想に加えた。【柴田猛夫】