「滑り台トレ」でレギュラー奪取だ!

 阪神林威助外野手(30)が25日、沖縄・宜野座キャンプに“滑り台”を持ち込むことを明かした。「ボディウェッジ」というストレッチ器具で、子供が遊ぶ滑り台のような斜面を利用して全身のストレッチ、エクササイズができる優れものだ。過去に両ひざ、右肩の故障経験がある林は、新しい相棒を「秘密兵器です」と紹介。新トレーニング器具でケガを未然に防ぎ、右翼取りに弾みをつける。

 段ボールに包まれた、何やら大きな物体。林は宝物を大事そうに抱え、クラブハウスに消えていった。中身を問われると「秘密兵器です」とニヤリ。この日は27日から始まる沖縄合同自主トレに備え、甲子園クラブハウスで“荷物出し”。南国行きの荷物の中に、新しい相棒を忍ばせた。

 その新アイテムとは「フィットネスアポロ社」が販売する「ボディウェッジ」。子供が遊ぶ小さい滑り台のような斜面を利用し、全身のストレッチ、エクササイズができるトレーニング器具だ。後輩の清水が使用している姿を見て、購入を決意。「昨日届いたばかり」だというが、沖縄に連れて行くことを即決した。

 「ストレッチ用です。肩とか足とか全部できる。まだ使ったことはないんですが、とりあえず買ってみました。これがあれば1人でもストレッチができるんで」。

 まだ詳しい使用方法を知らないという。それでも「まずは説明書を読んで」沖縄の宿泊ホテル自室でトレーニングに励む覚悟だ。林は02年の阪神入団前に右ひざを痛めており、07年オフには右肩を手術、さらに昨季は左ひざを負傷した過去がある。「これはケガ防止のために使います。(負傷経験のある個所は)すぐに固くなってしまうんで」。万が一、また故障に泣くことがあれば、レギュラー取りが遠のいてしまう。トレーナーの付き添いがなくても使用できる新相棒は、09年復活のカギを握ると言える。

 2月1日からスタートする1軍春季キャンプは、真弓監督の予告通り“地獄キャンプ”になりそうだ。当初は休日だった2月27日が練習日に変更され、高知・安芸で行われる最終クールは8日連続休みなしが決定した。ハードな日程の中、メンチや桜井など強力ライバルと右翼の座を競うことになる。日程変更を耳にした林は「本当ですか。しんどそうですけど頑張りますよ」と気合十分。ポジション争いから滑り落ちるつもりなどない。開幕レギュラーを奪い取るため、強靱(きょうじん)な肉体作りは必要不可欠。林は、その土台作りを、ホテルの1室で着々と進める。【佐井陽介】

 ◆「ボディウェッジ」とは

 「フィットネスアポロ社」が販売するトレーニング器具。自分の体重を使って全身のストレッチ、エクササイズが可能。器具の斜面には基本的なエクササイズ21種類がデザインされている。縦98センチ、横54センチ、高さ38センチ。同社ホームページによると、定価は2万6250円(税込み)。

 [2009年1月26日10時41分

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