中日谷繁元信捕手(38)が14日の日本ハム戦(札幌ドーム)にオープン戦初出場する。腰の違和感から、これまで実戦出場を控えていた正捕手がついに実戦復帰する。開幕についてはあくまで慎重だが、現在、投手陣がオープン戦12試合で防御率5・08と低迷しているだけに、守備に1本のしんを通す“谷繁効果”も期待したいところだ。

 ようやく実戦のグラウンドに立つことができる。13日、名古屋から札幌入りした谷繁は札幌ドームでの練習に姿を見せた。フリー打撃で快音を響かせ、内野ノックを受けるなど軽快な動きを披露。「明日?

 出させてもらうことになると思います」と実戦復帰を宣言した。

 腰の違和感を悪化させないため、慎重に調整してきた。キャンプでは初日から別メニュー調整が続き、全体練習に合流したのは終盤から。オープン戦も帯同していなかった。「ずっと前からこの日というのを目安に決めていましたから」。14日の日本ハム戦を第1目標に1歩ずつ階段を上がってきた。

 昨季最終戦から約5カ月ぶりの実戦。谷繁はテーマを聞かれるとこう答えた。「まずは普通に守れるかどうか」。打撃よりも、まず守備。正捕手らしい返答だった。投手陣は中継ぎが連日打ち込まれるなど12日現在、オープン戦防御率5・08(11位)と危機的な状況。ただ、若い投手が多いだけに谷繁のリードで立ち直るという期待も高まる。

 実戦復帰を果たせば、次は開幕となるが、谷繁は慎重だ。「開幕というのはありますけど、それがすべてではないですから」。場合によっては開幕戦のグラウンドに立てない可能性もある。ただ1度、マスクをかぶれば最後まで全うするのが正捕手の宿命。故障で31試合を欠場した昨季の反省もある。谷繁は長いシーズンを見据え、まず第1歩を踏み出す。【鈴木忠平】

 [2009年3月14日12時51分

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