<中日6-0横浜>◇5日◇ナゴヤドーム

 センター方向を振り返ったチェンは、野口の中飛を見届けるとフウっと息をついた。5-0の6回2死一塁。スライダーで注文通りに仕留めたが、点差以上に苦しかった。最速148キロをマークしたが制球が定まらない。6イニングで毎回走者を背負い5与四球。被安打3ながら球数は112球を数えた。最後の1本だけは打たせず、完封リレーを演出。「何とかして抑えたかった」と話した。

 何が何でも勝ちたかった。WBC台湾代表に選ばれたが辞退した。昨年の北京五輪でも代表入りし、国のために投げることを誇りにしていた。それでもシーズンを優先。「選ばれたことはうれしいですけど肩、ひじの状態がよくない。シーズンで10勝することが大事」と説明した。だが活躍を祈った母国はWBC1次ラウンドで敗退。複雑な思いを胸に秘めキャンプから必死に調整してきた。

 これで、開幕3連戦のチーム防御率は0・00。オープン戦は12球団中11位の4・79と低迷したが、本来の投手力を取り戻している。その源は若手同士の競争心だ。24歳の浅尾が開幕戦を8回自責0でものにし、同い年の吉見が2戦目を完封した。2人の一つ年下にあたるチェンも燃えていた。「浅尾さん、吉見さんが抑えていたので、自分も抑えたいと思った」と振り返った。

 落合監督は「防御率0点?

 それは問題じゃない」と、内容より3連勝したことを重視。次の1戦を見据えていた。【村野

 森】

 [2009年4月6日10時42分

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