<中日2-4ヤクルト>◇28日◇豊橋

 ヤクルトが、4番ジェイミー・デントナ内野手(26)の1発で連敗を5で止めた。同点の8回1死二塁。「前の打席までに打ち取られていた変化球を必ず投げてくると準備していた」。中日朝倉が投じた108球目のスライダーを無心で振り抜くと、打球はライトスタンドへと吸い込まれた。

 日本の投手陣の外角への変化球の多さに戸惑い、引っ掛けて凡退する場面がここ数試合目立っていた。「変化球を引きつけて右方向へ打つ、自分らしい打撃ができた。今後へのいい兆候」と笑顔で振り返った。

 この日は、冗談を言い合うほど仲の良い同僚川本の27歳の誕生日だった。試合前に「バースデープレゼントとして1本打つ」と約束していた。「うれしいね」と有言実行の活躍に声も弾み、帰りのバスへ乗り込む前にもハイタッチを交わして喜びを分かち合った。

 主砲の一打でチームは暗いトンネルから脱出した。連敗スタートした21日の九州シリーズでは、試合後敗戦のショックを引きずりながら、長時間のバス移動を強いられた。それだけに高田監督も「デントナの1発が効いた。長い道中イヤな思いをしてばっかりだったし、ホッとしたね」と、この日ばかりは試合後の豊橋から名古屋への移動もさほど苦にはならないと、笑顔でバスへ乗り込んだ。

 [2009年4月29日9時6分

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