【ニューヨーク16日(日本時間17日)】今季で4年契約が切れるヤンキース松井秀喜外野手(35)が阪神のラブコールを歓迎した。ナショナルズ戦の試合前、阪神が来季獲得に向けて調査に乗り出すとの報道について「光栄」「ありがたい」と好意的な発言を連発。「子どものころは阪神ファンだった」と、改めて公言するなど、獲得を望む虎党にとっては期待が膨らむ内容だった。阪神はこの日も敗れ、首位巨人と13・5ゲーム差。でも、あのゴジラが来てくれるかも…。もう夢プランとは言わせませんで~。

 ヤンキース松井が海を越えた虎の“求愛”に答えた。ナショナルズ戦の試合前に発したコメントは、阪神にとって好感触と言っていい、内容だった。

 松井

 そう言ってくださるのはすごいうれしいし、ありがたいことです。興味を持ってもらっているのはうれしい。

 シーズン中とあって、具体的な言及は避けた。「阪神に限らずね」と付け加えた。それでも熱視線に、悪い気をしていないのは明らかだった。「驚いたか」の問いにも「まあでも光栄です」。早々と興味を示してくれた球団に対する感謝の気持ちを何度も示した。阪神ファンであることも改めて公言した。

 松井

 そう(興味があると)言ってくださるのはすごいうれしいし、感謝しなくちゃいけない。子どものころから阪神ファンだったし。

 阪神球団が松井獲りに向け、本格的な調査に乗り出すことが判明したのは16日のことだった。タンパリング(事前の不正交渉)に配慮しながら、ある首脳は「もちろん、あれだけの打者で興味がないわけない。本当にヤンキースが(今年限りで)契約をしないのか、そうなれば獲得資金はどれだけ必要なのか。いざとなればすぐ動けるよう十分に調査をしておきたい」と発言。この報道を伝え聞いた松井の答えは、実に好意的だった。

 もちろん、松井の基本姿勢はヤンキース残留だ。それがかなわなくても、大リーグに残ってプレーしたいという意欲を持っている。阪神はあくまで仮定に仮定を重ねた上で浮上してくる球団ではある。ただ松井は「大リーグ希望」を改めて問われても、こう含みを持たせた。

 松井

 基本的にはそうだけど、何が起こるか分からない。何が起こるか分からないけど、それ以上は何もないですよ。

 契約社会の厳しさは承知している。ヤンキースだけでなく、他球団からも好条件のオファーが届かなかった場合、阪神も十分、選択肢の一つとなりうる。この日の反応を聞く限り、日本球界復帰となった場合は、有力な候補となるのは間違いなさそうだ。

 ヤ軍のジラルディ監督はこの日、DH制のない19日からのナ・リーグ主催交流戦では松井を先発では考えておらず、代打での途中出場が基本となる構想も口にした。にわかに動き始めた来季の去就問題。打撃の状態が上がることが望ましいが、そうでなければ、その分、阪神入りの可能性が高まる。阪神入りを望む虎党にしてみれば、複雑な思いで動向を見守ることになりそうだ。

 [2009年6月18日12時18分

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