みんなでブランコの驚弾を見よう!!

 中日がリーグ本塁打王トニ・ブランコ内野手(28=ロッキーズ2A)の試合前、フリー打撃をファンに公開するため開場を早める異例のプランを検討していることが23日、分かった。ナゴヤドームでの「天井弾」など圧倒的なパワーを誇るB砲の打撃練習を見たいというファンの要望に対し、開場を1時間早めて見学可能にするというもの。今後はナゴヤドーム側の許可を得るため話し合うことになる。

 もっとブランコの「驚弾」が見たい。中日ファンの願いを実現するため、球団が本格的に動き出す。選手1人のために、開場を1時間早める異例のプラン実現へ-。西川球団社長が強い意欲を示した。

 「バッティング練習を見るために開場を早めてほしいというファンの声がある。今までにもあったが、今年は特にブランコがいるから。さまざまな問題があるが、何とかしたいと思っている」。

 新外国人ブランコは開幕から4番に座り、現在19本塁打とリーグトップを走る活躍を見せている。本塁打数以上に注目を集めているのが、圧倒的なそのパワーだ。5月7日の広島戦ではナゴヤドームの天井スピーカーを打球が直撃。97年の創設以来、初めての認定本塁打を記録した。そのホームランボールが20日からドーム内に展示されるや、連日、見学のための長蛇の列ができる程の人気ぶりだ。

 そんなブランコの怪力ぶりを最も確実に見られるのが、試合前のフリー打撃。時に半分以上の割合で柵越えを連発。見守るチームメートがあきれ、アップ中の対戦相手が練習の手を止めるほど、見応えたっぷりの「アーチショー」だ。

 ただ現状ではファンは見られない。例えばホームゲームのナイターの場合、主力選手のフリー打撃が行われるのは開場前の午後3時30分頃から。通常の開場時間4時では、ほぼ中日の練習時間は終了してしまっている。

 「何とか見たい」というファンの要望を、球団はしっかり受け止めている。近藤営業部長は「安全面などクリアしなければいけない問題はあるが、ナゴヤドームに申請します」と、具体策を語った。球場を管理する立場にあるナゴヤドーム側に許可されるためには安全面の配慮が焦点になるが、同営業部長は「例えば5階席に限定すれば、危険性も減るし、ホームランの様子もよく見える」と解決策も用意している。

 中日は今季、シーズン席の売り上げが昨年に比べて減少するなど、従来より観客動員に苦しんでいる。それだけに球団側はファンの要望にこたえるサービスを模索中。ナゴヤドームに許可されれば、NPBの審査を経て実現となる。ブランコパワーが、集客面でも「起爆剤」になるかもしれない。

 [2009年6月24日9時59分

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