関西独立リーグ神戸の「ナックル姫」こと吉田えり投手(17)が、22日の大阪戦(13時・スカイマーク)でプロ初先発することが決まった。村上監督代行は18日、「1イニングでも長く投げてほしい」と先発を明言。これまで最長1回の吉田だが、最低でも3回を投げてほしいという。

 まだ17歳で体ができていないことや、ナックルによる握力の消耗を考慮し、今季9試合は終盤の中継ぎ専門だった。とはいえ実はこの初先発、苦肉の策だった。22日にはNPBの横浜のトライアウトがあり、神戸から10選手が参加。当日は投手4人、野手6人しか残らない非常事態になっていた。

 村上監督代行は、吉田を守備につかせるより、先発で未知の可能性を試す方がいいと考え、既に本人に起用を伝えた。

 3月の大阪との開幕戦。ナックル警戒の初マウンドで、97キロ直球を投げ三振を奪った吉田には、天性の勝負度胸がある。ハートの強さを買われた形だが、さすがに緊張気味だ。

 「調整、どうしたらいいんですかねえ。2回も投げたことないし…でも3回はいきたい。打たれてもいいから、ストライク入らないと長く投げられませんからね」。話すうちにふつふつと闘志がわいてきたようだ。

 5日紀州戦に打者9人3失点と炎上したが、13日同戦には初の3者凡退を記録した。「どんな結果でも自分のプラスに、練習になる。こないだも失敗したから、いろいろ試して成長できた」。どこまでも前向き。22日は衣川コーチが捕手を務める予定で、初球はナックル?

 「うーん、サイン通りで。楽しみにしてください!」。おどけながら笑う瞳が輝いていた。【村上久美子】

 [2009年9月19日12時7分

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