<2007年6月9日付日刊スポーツ紙面>

 伝説のV9戦士が長い時を超えてグラウンドに集まった。現役監督のソフトバンク王監督を除く、当時のメンバーが記念撮影に納まった。その中で「2番セカンド・土井」のアナウンスの際には、長嶋氏に負けない拍手が起こった。車いすに乗り姿を見せた土井氏の体は細くやせていた。実は今年3月5日に約15時間の膵臓(すいぞう)がんの手術を受けた。40日間、高熱が下がらず意識もはっきりしない状態から、現在ではリハビリを行うまでに回復した。

 土井氏は「最初はお断りしようと思いましたが、やがてV9の仲間たちともう1度グラウンドに立ちたいという気持ちが強くなりました」。二塁の守備位置で力を振り絞り車いすから立ち上がると、温かい拍手が送られた。マウンドに堀内氏、捕手に吉田氏、遊撃に黒江氏、左翼に末次氏、中堅に柴田氏、右翼に国松氏…。川上氏は「土井や長嶋もしっかりと役を務めていた」。常勝巨人を支えた男たちの魂が、しっかりと引き継がれた。

 国松彰氏

 ライトスタンドの大声援がとても懐かしかった。現役の選手もこの声援のありがたさを知って、プレーしてもらいたい。

 末次利光氏

 まさかこの年齢になってもこのメンバーでグラウンドに立てるとは。本当に素晴らしい1日で、忘れかけていた感激を思い出した。

 柴田勲氏

 当時はV9と言われてもピンとこなかったけど、いまだにこのようなイベントに呼んでもらえる。今思えばすごいことをやったのだなと実感する。

 吉田孝司氏

 (始球式で堀内氏が高投)ワンバウンドは警戒していたんだけど、堀内は持ち味を出したね。あれが2―3だといいコースに来たんだろうけど。

 堀内恒夫氏

 これだけのメンバーをバックに投げられるのは私以外いないのではないか。久し振りにきれいなマウンドは気持ちが良かった。(2007年6月9日付日刊スポーツ紙面から)

 [2009年9月25日15時58分

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