<ロッテ5-2楽天>◇6日◇千葉マリン

 ありがとうボビー。今季限りで退団するロッテ・バレンタイン監督(59)が本拠地最終戦で、涙を浮かべながらファンに惜別の詩を送った。これまで英語のスピーチを貫いてきたが、日本語で感動のサヨナラセレモニーを演出した。試合も「ボビーチルドレン」たちが、同点で迎えた8回に一挙3点を奪う猛攻で楽天に逆転勝ちした。

 ボビーが涙で千葉マリンのファンに別れを告げた。小雨が降りしきる中、自ら作った詩を朗読した。「永遠に僕のほおは千葉の風を感じています

 ロッテの応援歌が僕の耳の中にあります

 ファンの皆さんの愛が僕の心の中にあります

 永遠に僕は千葉ロッテマリーンズを忘れません

 愛しています」と、流ちょうな日本語で感謝の思いを口にした。これまで自分の日本語が正確に解釈されないことを嫌い、公の場では英語を貫いてきた。だが「世界でイチバン」と言うファンを前に、最後は必死に考えた日本語で伝えた。

 波瀾(はらん)万丈の7年間だった。05年に31年ぶり日本一へ導いたが、その年のオフに4年総額20億ともいわれる大型契約を結び直したことで、フロントとの亀裂が生じ始めた。ロッテ本社の経費節減の方針もあり、昨年12月にフロントから異例ともいえる今季限りでの退団を通達された。

 開幕直後からフロントとの確執が取りざたされ、少なからずチームにも影響を及ぼし、今季は開幕直後から低迷した。結局1度も浮上することなく、2年連続Bクラスとなる5位に終わった。「今まで監督を経験した中で今年が一番楽しめなかった。球団と現場が1つにまとまることが出来なかった。悔いが残るが、その責任はすべて自分にある」と潔く非を認めた。

 その一方で、指揮を執った95年の1次政権と04年からの2次政権合わせて7年間で、通算492勝449敗23分け。万年Bクラスだったロッテを日本一へと導き、観客動員数も昨年は初の160万人を突破するほどの人気チームに立て直した。才能ある若手を積極的に起用した采配は「ボビー・マジック」として日本球界に刺激を与えた。

 監督によって見いだされたチルドレンたちが、この日も土壇場で集中力を発揮した。同点で迎えた8回、2死後から「和製大砲」として育てられた大松が二塁打でおぜん立てすると、05年日本一の立役者、今江が勝ち越しに左適時二塁打をマーク。今江は「監督がいなければ今の僕はなかった。本当に感謝しています」と、人目もはばからず男泣きした。

 最後は選手たちによって3度胴上げされ、来季監督に昇格する西村ヘッドコーチとがっちり握手を交わした。ボビーが築いた礎は引き継がれる。【鳥谷越直子】

 [2009年10月7日8時7分

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