阪神藤本敦士内野手(32)が、移籍を視野にFA宣言することが確実となった。FA権の行使手続きがスタートした9日、甲子園クラブハウスを訪れた藤本は「昨日、球団から連絡があり、近日中に沼沢さんと話をすることになった。自分の気持ちを固め、その場で伝えるつもりです」と説明。権利行使については明言は避けたものの、表情はスッキリしており、球団との交渉後、即、権利行使の意思表明となりそうだ。

 熟考した上で結論を出した。藤本は01年ドラフト7位で阪神に入団。03年には遊撃手のレギュラーに定着し、8番打者として打率3割を残すことでリーグ優勝に貢献した。球宴にもファン投票で3度選出。生え抜き選手として堅実な守備でチームを支えてきたが、昨季は58試合、今季も47試合と出場機会に恵まれず、節目のプロ10年目を迎える来季に向けて一大決心した。

 すでにヤクルトが獲得に興味を示しており、藤本は他球団からのオファーを待つことになるが、阪神側も慰留に全力を注ぐ構え。南球団社長は「まずは話し合い。藤本は来季も必要?

 もちろん当たり前」と即答した。沼沢球団本部長は交渉日について「まだ決めてないが、遅くとも今週末までにはやります」と明言。かつて「恐怖の8番打者」と呼ばれた男が、大きな決断をするときがきた。

 [2009年11月10日11時50分

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