ジョーを囲め!

 阪神真弓明信監督(56)が15日、「マージャンのススメ」を説いた。新戦力の城島健司捕手(33)が、趣味のマージャンで投手陣と意思疎通を図ると発言したことに指揮官も同調。来年の春季キャンプなどで緑の卓を囲むことを容認した。これに江草仁貴投手(29)が早くも対決を熱望するなど、主力投手もビビッと反応。勝負師・城島を囲む夜の戦いで、バッテリーのきずなは深まりそうだ。

 リーチ!

 ロン!

 夜に響く男たちの声がVへの近道だ。高知・安芸で秋季キャンプ中の真弓監督が「城島プラン」に賛同した。新戦力が愛してやまないマージャンが投手陣との信頼構築アイテムに浮上。指揮官もこの動きを容認した。「できないのを無理にやらせることはないが、遊びながら、コミュニケーションを取れたら、それに越したことはない」。早ければ、来年の春季キャンプから夜の「熱戦」が始まる。

 マージャンは一瞬の判断や読みの鋭さなどが求められる頭脳ゲーム。プレーヤーの性格も反映され、心理面も勝負の行方を左右する。一晩卓を囲めば、人となりがすぐに浮かび上がってくる。「やっていたよ」と真弓監督も現役時代を思い出した。もちろん、睡眠不足など練習への悪影響は厳禁だが、チームにプラスになるものと考えている。「野球選手は、グラウンド以外で野球の話をしたがるもの。ゲームでも、性格が出ることがある」。球団もキャンプ宿舎にマージャン部屋を設置しており、何の支障もない。

 発端は13日の入団会見にあった。投手陣との信頼関係を築く方法を聞かれ、城島は即答した。「マージャンでもしますか!」。実家がマージャン店を経営していたことから、慣れ親しんできた。今年のWBCでも「投手全員としたい。食事では分からない部分もあるから」と話したほどだ。阪神投手陣の情報に関しては、白紙の状態。得意分野をフル活用して、一気に情報収集を図るためにも、指揮官の「ススメ」はありがたい。

 城島プランに、選手間でも機運は高まっている。キャンプ中の江草が対決を熱望した。「性格とか考え方も出るし、そういう意味でも、ぜひやってみたい。久保田も筒井もやる。(高知の宿舎は)自動卓じゃなくて、手積みでやっている。“城島効果”で(自動卓が)復活せんかな」。楽しむ選手が減っている若い世代でも、興味を示す声が上がった。プロ4年目の鶴は「誘われたら、覚えたい。今はまだ、そんな立場ではありませんが…」と話した。ジョーさんと勝負したい-。城島と卓を囲むことがモチベーションのひとつになる可能性さえある。

 その強烈な個性がチームを活性化させるという声は多い。さらに136枚の牌を使って、投手陣とのきずなを築く。「城島革命」は昼夜を問わない。【田口真一郎】

 [2009年11月16日11時38分

 紙面から]ソーシャルブックマーク