卓球打法でV貢献にピンポ~ン!

 広島の新外国人選手3人が28日、マツダスタジアム内で来日会見を行った。ジェフ・フィオレンティーノ外野手(26)は趣味が卓球と明かした。素早い球の打ち合いが、野球でも正確に球をとらえる訓練になるという。ジャンカルロ・アルバラード投手(32)は母国プエルトリコでモデル養成学校を経営する実業家の一面を持つ。ジャスティン・ヒューバー内野手(27)も加えた新助っ人が、19年ぶりの優勝に力を結集する。

 まさに趣味と実益を兼ねている。フィオレンティーノは卓球の話になると身を乗り出した。「日本に来たら、球場のクラブハウスに卓球台があると思っていたけど…なかったね」と笑顔で残念がった。

 実は、福原愛や石川佳純もビックリの卓球ファンだ。米フロリダ州フォートローダーデールの自宅に、自らが「卓球アリーナ」と呼ぶ卓球専用の部屋があるほどだ。オフシーズンには、友人を招いてプレーに興じるという。それも、いったん始めると1時間は止めない。ラケットを持って打つ格好をしながら「真剣勝負になるんだよ」。報道陣には「いつでも勝負を挑んできてください」と自信満々で言い切った。

 もちろん、ただの趣味には終わらせない。本業の野球にもしっかりフィードバックしている。小さな球を高速で打ち合う卓球は「目で見たボールをいかに的確に打つか」という野球の打撃にも通じる。フィオレンティーノは「卓球は打ち合う距離も短い。だから野球のためにもなるいいスポーツなんだよ」と話す。

 新助っ人は、シュアな打撃が持ち味だ。昨季はオリオールズ傘下の3Aで打率3割1分2厘をマークしている。ここに「卓球トレ」で磨かれた打撃センスが生かされている。

 獲得を推薦したシュールストロム駐米スカウトも「パワーヒッターではないが広角に打てる。選球眼も良くバットに当てることもうまい」と証言する。卓球打法こそ日本で成功するカギというわけだ。

 さらに、3Aで昨季13盗塁した足と堅実な守備は、野村新監督が求める足を使ったスキのない野球というスタイルにも合致する。フィオレンティーノは「私のプレースタイルは日本人選手に似ていると言われる。バントもエンドランも盗塁もなんでもできる。できることはなんでもやって、優勝に貢献したい」と力強く宣言した。卓球打法で、カープ打線にスマッシュを打ち込む。【高垣

 誠】

 [2010年1月29日10時4分

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