横浜の沖縄・宜野湾1軍キャンプに合流した1位指名ルーキー筒香嘉智内野手(18=横浜)が16日、首脳陣に絶賛され、いきなり今後の1軍参加が決まった。島田ヘッドコーチは当初の2日間予定を、オープン戦まで帯同させると話した。視察に訪れた3000本安打の張本勲氏(69=野球評論家)は直接指導に乗り出し「現状は『あっぱれ』です。松井(エンゼルス)以来の超大物」とと太鼓判を押された。注目のルーキーは17日、紅白戦に先発出場する。

 初参加した筒香への評価はシート打撃が雨でフリー打撃(室内)に変更されても関係なかった。見守った島田ヘッドはヘッドスピードの速さを絶賛した。「18歳であんなに速いのはおらんでしょう。近い将来4番になる存在。このまま(1軍に)おらせます」。

 打撃投手の入来相手に始まったフリー打撃。ふつうなら初球、バントして投球スピードを計るが、このルーキーはいきなり打ちに出た。筒香は「初球からフルスイングできる状態をつくって入ってますから」と説明したが、周囲は驚いた。入来が「自信があるんだろうね。思い切りがいい」と言えば、島田ヘッドは「球の速さを見ないで対応できる備えができている。プロ意識があるんだろう」とベタ褒めだった。

 44スイングして、安打性の当たりは17本。本塁打性の鋭い打球は室内のためネットで止まった。それでも張本氏はその飛距離を評価した。「遠心力があるし体が松井より柔らかい。松井より打球が伸びるね」と言って、同時に気になったポイントを挙げ、指導に乗り出した。指摘したのは踏み出す右足の開きだった。

 筒香もこれは自覚していた。「高校からのクセで気づいていた点もあります。いいアドバイスをいただきました」。張本氏は「あれが直れば1年のうちに本塁打王になれる。40から50本は打てますよ」とまで話した。17日の紅白戦、23日の練習試合(対日本ハム=名護)にも出場する。

 オープン戦も含め結果次第では開幕1軍も見えてくる。それでも「実戦感覚は戻っていない。はりきり過ぎたらケガもある。自分のプレーを心がけたいです」。絶賛の声が続いた中で、冷静に紅白戦を見据えていた。【米谷輝昭】

 [2010年2月17日9時4分

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