真弓構想に暗雲!

 阪神の開幕投手候補だった岩田稔投手(26)が17日、左ひじ痛のため緊急帰阪した。この日、大阪市内の病院でCT検査を受け「左ひじ変形関節炎」と診断され、3日間ノースローとなった。岩田はこの日のうちに高知・安芸に入り、18日から2軍キャンプでリハビリを開始する。重症ではないもようだが、今後の調整に狂いが生じるのは必至な情勢。開幕に間に合うかも微妙となり、先発ローテ再編を余儀なくされる可能性も出てきた。

 沖縄で牙を研ぐ虎に、衝撃が走った。開幕投手候補だった岩田がこの日の早朝、左ひじ痛のため緊急帰阪。16日のブルペン投球中に痛みを感じ、この日大阪市内の病院でCT検査を受けた。診断結果は「左ひじ変形関節炎」。常川チーフトレーナーは「3日間のノースロー」と見通しを説明した。

 真弓監督は「そんなに悪くはないよ。ちょっと(調整が)遅れるぐらい。そんなに心配することはない」と軽症を強調したが、3・26開幕に向けて大きな不安材料が出てきた。岩田は安藤と並んで開幕投手の有力候補。9日には今キャンプ初のフリー打撃にも登板していた。だが、先発陣の柱と期待される左腕が、調整遅れを取り戻せなければ虎の大きな痛手となる。

 山口投手コーチは「(シーズンインに)間に合わせてもらうつもりだけど、間に合わないことも考えないといけない。焦らせてはいけない」と説明。最悪の場合、開幕投手について能見も含めて再考し、さらに先発スタッフ再編を余儀なくされる。

 ただ、首脳陣の基本方針はあくまで「開幕に間に合わせる」だ。岩田は関大時代から慢性的な左ひじの違和感を抱えており、昨季も左ひじ痛を経験。患部の炎症が治まれば、早期の投球再開は可能と見られる。

 久保投手コーチは「早め早めのブレーキ、処置です。今日も投げられます。軽症を願っている。オープン戦も全部残しているし、3日間くらいで治まってくれたらありがたい。変形性だから(痛みが)治まってしまえば早い」と、期待を込めて回復を待つ姿勢だ。

 この日、2軍キャンプ地の安芸に移動した岩田は、高知空港で「以前にやったこともある箇所なので。明日からリハビリします」と気持ちを切り替えていた。2軍は21日で打ち上げとなるが、26日まである1軍安芸キャンプに残留するかどうかは、状態を見て判断する予定だ。

 昨季はWBC日本代表に参加中、左肩痛を発症。開幕から大きく出遅れた。そのため今年は「15勝と200イニング登板」を目標に掲げ、シーズンフル稼働を誓っていた。チームもファンも、今はただ左腕の復帰を祈るしかない。

 [2010年2月18日11時46分

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