<ヤクルト2-5オリックス>◇16日◇神宮

 オリックス北川博敏内野手(37)が9年ぶりの逆転満塁本塁打を放った。1-2の9回満塁。ヤクルトの守護神林の初球140キロを両腕をたたんんで左翼席へ運んだ。「真っすぐじゃないかな。チャンスで打てたのがデカい。ここ何年かオープン戦で本塁打は打ててないし、気分的にいいよ。満塁?

 あれ以来打ってないね」。近鉄時代の01年、史上初となる代打逆転サヨナラ満塁優勝決定本塁打を放って以来のグランドスラム。目尻に深いしわをつくるいつもの笑みが輝いた。

 劇的な「P弾」で快勝だ。名字の一字「北」を中国語読みして、あだ名はペイ。そのペイさんは「今朝から胃腸炎になった」と食べ物をもどし、おなかもピーピーの最悪の体調だった。何も食べられず欠場も考えたが、「出て良かった」とおなかをさすった。

 1発が出たは代打出場からの2打席目。オープン戦9試合で先発は1度だけ。代打や守備から出ることが多いが、14打数5安打、打率3割5分7厘と数字を残した。正田打撃コーチは「キャンプでもよう練習した。神様は見てるっちゅうことや。あいつが打つとムードが盛り上がるしな」とたたえた。オープン戦を白星締め。縁起物とも言える北川の満塁弾はVの吉兆かもしれない。

 [2010年3月17日11時5分

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