<中日3-2ヤクルト>◇20日◇ナゴヤドーム

 勝負強い男が連敗ストップ打!

 中日森野将彦内野手(31)が決勝タイムリーを放った。5回、チームの天敵であるヤクルト館山から0-0の均衡を破る右前打で攻略の口火を切った。これで得点圏打率はリーグ断トツの5割2分9厘。驚異の勝負強さを誇る3番打者が連敗を止める立役者になった。また、この日の3打数2安打で打率もリーグ2位の4割2分4厘まで上昇した。

 獲物は逃さない。森野のバットは少し甘く入ってきた館山の変化球を確実にとらえた。打球は一、二塁間を割って右翼へ。両チーム無得点で迎えた5回1死一、三塁。今、リーグで最も勝負強い男がまたチャンスをものにした。3連敗中のチームに待望の先制点をもたらし、結果的に決勝点となる貴重な一打だった。

 「いろいろありましたねえ…」。試合後、森野は苦笑いでロッカーから出てきた。初回にブランコのヒットで一塁から本塁へ激走したが、完全にタッチアウト。5回には今季5個目の失策。お立ち台を遠慮した理由だ。ただ、バットを持たせれば最高に頼りになる。5回のヒットで得点圏では17打数9安打、打率5割2分9厘。チャンスで森野に回せば半分以上の確率で得点になるという驚異の数字。

 「いつも通りの打撃を心がけていますけど、やはりボール球を振らないことですよ」。本人は勝負強さの理由の1つに選球眼を挙げた。確かに5回の打席でも見極めが際立った。1ストライクからの2球目に外角低めのボール球を見逃し。2-1と追い込まれた後の4球目は内角の際どいストレートだったが、ファウルで逃げた。そして、5球目。この打席で最も甘くきた変化球をしとめた。相対しながら、投手を追い詰めていく威圧感がある。

 3打数2安打、1四球。充実の内容で打率はリーグ2位の4割2分4厘まで上昇。それでも慢心しない。「問題は明日です。打撃って怖い。1日で狂ってしまう。だから、いつも寝るのが怖い」。それほど打撃とはデリケート。だから、いつも自分に言い聞かせている言葉がある。「いい時ほど慎重に。悪い時ほど大胆に」-。好調時ほど打つ球を選び、不振の時ほど振っていくという意味。好調の裏には日々、繰り返される己との戦いがある。【鈴木忠平】

 [2010年4月21日11時2分

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