<楽天2-3横浜>◇19日◇Kスタ宮城

 8球粘った末に、横浜藤田一也内野手(27)は決勝打となる中前打を放った。5回だった。チェンジアップに食らいついた。「チャンスをもらっていたんで、なんとか結果を出したいと思っていた」。この日はチームの3打点すべてをたたき出す活躍。尾花監督も「期待にこたえてくれている」と目を細めた。

 冷静に気持ちを切り替えたことが決勝適時打につながった。2球目、ワンバウンドの変化球をバットに当てられず、スクイズを失敗した。「そのまま打席に入るのが嫌だったので」とネクスト・バッターズ・サークルまで戻り、バットに滑り止めのスプレーをかけた。間を取ったことで、気持ちの整理ができた。

 近大から入団して6年目の藤田がスタメンに名を連ねてからチームは交流戦初の連勝。「ずっといい調子を保ってきた」とチャンスを狙っていた男が、ピタリとチームの歯車にはまった。「連敗でたまった借金を1つでも返していきたい」と、逆襲へのキーマンに名乗りを上げた。【竹内智信】

 [2010年5月20日8時12分

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