首痛でリハビリ中のソフトバンク小久保裕紀内野手(38)が7月戦線での復帰を目指し、プロ17年目で初の「自宅トレ」を導入する。6月5日に練習再開してから1週間。左肩筋肉の炎症は治ったが、首痛についてはリハビリ段階のまま。懸命に復帰の道を探る中、これまで練習を持ち込まなかった自宅でも復帰プログラムのメニューを敢行することになった。

 小久保は「(自宅で練習は)やったことないよ」と言う。マッサージは受けていたが、日々気持ちの切り替えに努めるスラッガーにとって、自宅はリラックスの場だった。だが、今ではストレッチポールとバランスボールが置かれている。「これまでストレッチをやらんかったからな。ストレッチをやる時間が嫌やったんや」。トレーニングと同時間ほどかけるストレッチが、復帰メニューに組み込まれており、異例のマイホーム調整につながった。

 ジレンマとも戦う日々だ。「痛みは、もうない。痛みがない分、歯がゆいよ」。なかなか進まない調整にもどかしさを抱える。11日は西戸崎合宿所で上半身中心の練習を行った。トレーニングの締めくくりに、海を挟んで福岡ヤフードームが見える走路で、50メートルダッシュを繰り返した。引き揚げる際に捕球動作をみせるなど、復帰への思いは隠せない。チーム(2軍)が練習オフの14日には動体視力トレを組み込むなど、来るべき日に備えている。「(交流戦日程で)試合が少ないのが幸いやな」と語る姿に、7月戦線に戻ってくる決意がにじんでいた。

 [2010年6月12日10時56分

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