あるぞ、兄弟スタメン!

 中日堂上剛裕外野手(25)が21日、1軍に合流し、弟の直倫内野手(21)とともに、入団以来初めて兄弟そろって1軍に名を連ねた。お兄ちゃん剛裕は大島に代わる左の外野手として、右翼でスタメン起用される可能性も十分。弟直倫も二塁での先発が続いており、中日でプレーした仁村兄弟以来、20年ぶりの同一球団での兄弟同時出場が現実味を帯びてきた。

 ドラゴンズの同じユニホームに袖を通して今年で4年。ついに兄弟が同じ舞台に立った。故障で20日に抹消された大島に代わり、浜松での練習に合流したのは、今季ファームで3割2分1厘、6本塁打と好調を保っていたプロ7年目の堂上剛だった。

 剛裕

 きょうは思い切ってできた。調子がいい時に上げてもらったので、あとは結果だけですね。オフに(イベントなどで)「2人で1軍で活躍するように」と言ってくれる人も多いので、それを叶えたい。

 約2カ月ぶりに1軍に合流した剛裕は右翼のポジションで、外野フェンス際で打球の跳ね返り方を入念にチェック。フリー打撃ではフェンスを直撃する当たりを連発するなど左右に打球を打ち分け、調子の良さをアピールした。

 合流の知らせを受けたのは20日の夕方。すぐに弟直倫のもとに電話をかけた。オフには互いにナゴヤ球場で打撃投手を務め合い、兄弟そろって伊勢志摩で自主トレを行うほど絆が深い。この日もアップ時に会話をかわして笑顔を見せた。兄弟そろって活躍したいという思いは、弟も同じだった。

 直倫

 2人で1軍で一緒にプレーできたら、それはうれしいこと。ただ、上にいるだけでは喜べないので、結果を出して、2人そろって1軍で活躍できるようにしたい。

 16日に1軍昇格後、4試合連続して二塁でスタメン出場している。巨人3連戦ではプロ初安打、初打点をマークし「1本出て落ち着いた」と1軍でのプレーも徐々に板についてきた。

 愛知出身の兄弟選手だけに、地元ファンの期待も大きい。自身も兄弟選手だった笘篠外野守備走塁コーチも「上がりたくてうずうずしていた選手」と、期待を寄せる。22日の横浜先発は右腕三浦が濃厚。左打ち剛裕にもスタメンチャンスは広がっている。兄弟そろっての出場となれば、90年の仁村兄弟以来、20年ぶり。期待の若竜ブラザーズが球史に新たな1ページを刻む。【福岡吉央】

 [2010年6月22日10時6分

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