楽天ランディー・ルイーズ内野手(32)は、まか不思議な妖気の持ち主であることが9日、明らかになった。最下位ながら3連勝と好調のチームはこの日、10日からの西武戦に向けKスタ宮城で練習。8日出たリンデンの逆転2ランについて、ルイーズが「ボクがリンデンに力を送って、打たせたんだよ」と明かした。

 真夏の怪談、ではなく実話だった。ロッテ戦の8回1死二塁。ベンチ最前列に陣取ったムハマド・アリ似の助っ人が、掲げた両手の指をゆら~りゆらりと小刻みに揺らし始めた。直後、バックスクリーン突入の特大2ランが…。「お前もパワーを送れ」と誘われ、やんわり拒否した渡辺は「あれ、やった方がいいですよ。格好悪いけど。要所でやろうかな」と証言する。西武は楽天ベンチから発せられるオーラにも警戒する必要がある。

 こっけいかも知れないが、ルイーズもチームもマジだった。実はブラウン監督は「日本で成功する極意を教えてあげて」と、巨人ラミレスに頭を下げていた。優しい同監督は「マジックは好きなんだ。選手の力になるなら、私も勉強したい。どんなに強い相手でも絶対に勝つ気持ちが大切。1戦1戦大事だからね」と真顔だった。ラミちゃんから助言を受けたルイーズが、仲間に加わろうと必死に送った念力を笑うのは失礼というものだ。4番に座って本職のバットも上げ潮。「楽天のアリ」改め「ゲゲゲのルイーズ」が獅子を縮み上らせる。【宮下敬至】

 [2010年7月10日8時52分

 紙面から]ソーシャルブックマーク