来季の飛躍が期待される日本ハム中田翔内野手(21)へ、梨田昌孝監督(57)が6日、打撃の確実性アップを課題に挙げた。今季はプロ初本塁打を含む9本のアーチをかけ、大器の片りんを見せたが「最後は2割4分いってないでしょ。ホームランよりも(打)率を上げることだね。2割8分くらい打てれば、25本くらいはいくだろうから」と、レギュラー定着へアベレージを残すことを求めた。

 パワーだけでは、定位置確保は難しい。飛躍の年となった3年目の今季は、7月20日ロッテ戦でのプロ初アーチから11戦8発と柵越えを量産。持ち前の長打力が一気に爆発した。だが、シーズン終盤には失速。9月12日ソフトバンク戦から26日西武戦まで8試合連続無安打とスランプに陥るなど、一時は2割8分9厘まで上昇していた打率も、最終的に2割3分3厘でシーズンを終えた。

 5年ぶりのBクラスとなる4位でクライマックスシリーズ出場を逃したチームだが、リーグ最少に終わった本塁打数(91本)に対し、チーム打率は2割7分4厘と同2位の好成績。安打をつなげて走者をため、確実にかえすというのがチームの戦い方でもあり、1発の魅力は十分に秘めている中田でも、それだけではポジション争いに勝っていくことはできない状況にある。

 5日から始まったフェニックスリーグ(宮崎)でも、開幕のソフトバンク戦でいきなり2本塁打を放ち存在は示したが、梨田監督は「あのクラスのピッチャーは打てる。よくなっているところもあるんだし、確実性を上げないと。本人もよく分かっていると思う」と厳しい。持っている能力も、かかる期待も高いだけに、目指すべき場所はまだまだ上にある。【本間翼】

 [2010年10月7日11時58分

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