<日本シリーズ:ロッテ7-1中日>◇第3戦◇2日◇千葉マリン

 日本シリーズ男が意地の2安打だ!

 中日谷繁元信捕手(39)が気を吐いた。3回にカウント2-2から変化球を右前に運び、荒木の犠飛で先制ホームを踏むと、8回も右安打を放った。「オレに打つことを聞いてもしょうがないよ。打線?

 今日はもう終わり。とにかく切り替えてやるしかない」。チームの惨敗に試合後はサバサバした表情だったが、ベテランの働きがきらりと光った。

 フォア・ザ・チームの精神だ。チームでは山本昌に次ぐ年長の39歳。若手投手陣はひと回り以上の年齢差があるが、今シーズンは浅尾らを食事に誘うなど、積極的に若手と交流を図ってきた。CSファイナルステージが始まる前から「短期決戦を勝つにはチーム力が大事」が口癖だ。

 日本シリーズを熟知している。10月31日の第2戦ではシリーズ通算18打点を記録し、捕手としては史上2位に浮上した。通算打率も2割9分3厘。「負けを引きずってたら、すぐに終わっちゃうよ」。頂上決戦を知り尽くした男だからこそ、試合後も務めて笑顔。前だけをしっかり見つめた。【桝井聡】

 [2010年11月3日10時21分

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