<日本シリーズ:中日2-2ロッテ>◇第6戦◇6日◇ナゴヤドーム

 中日チェン・ウェイン投手(25)がロッテを7回4安打1失点に抑えた。王手をかけられた第6戦の重圧を背負いながらも堂々の結果を残した。「最近、先発投手があまりよくなかったけど、みんなの力を合わせていいピッチングができたと思います」。

 初回にサブローの適時打で先制点を許したがその後は辛抱強くスコアボードにゼロを並べた。7回2死二塁では、代打青野を遊ゴロ。力いっぱい左こぶしを振り下ろし、こん身のガッツポーズで喜びを爆発させた。

 06年11月に疲労骨折した左ひじを手術。リハビリ中には引退を覚悟したこともあった。「もう1度投げられなかったら野球を辞めるしかないと思っていた。手術しても100%治る保証はないし、大きな賭けだった」。そんな苦しみを乗り越えたからこそ、野球ができる喜びを力に代えた。

 母国台湾では両親や兄がテレビの前で声援を送っていた。「僕のことを応援してくれている」。ペナントレースは台湾では放送されないが、日本シリーズなら台湾でも放送される。9月に兄に子供が生まれたため、家族を日本に呼ぶことはできなかったが、国際電話で活躍を誓った両親らにも雄姿を送り届けた。【福岡吉央】

 [2010年11月7日10時20分

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