投手と野手なのに?

 自軍なのに??

 日本ハム中田翔内野手(21)が5日、ドラフト1位ルーキーの早大・斎藤佑樹投手(22=早実)を「ライバル」に挙げた。広島市内のスポーツジム「アスリート」で、阪神金本との合同自主トレを公開。新たに入団してくる注目ルーキーについては、1軍選手枠を争うライバルととらえ、自らの発奮材料にするつもりでいることを明かした。

 新年を迎えても“中田節”は健在だった。2011年の第一声が、報道陣をキョト~ン、とさせた。ドラフト1位斎藤佑についての質問を受けた時だ。「野手と投手で違うけど、チームメートだけど、ライバルだと思っています」。ん?

 ライバル??

 ポジションもかぶっていない味方選手に対する表現としては、極めて異例の発言。だが、本人は大まじめだった。

 4年目を迎える今季の目標は「1年を通して1軍に残ること」と明確。そのために、投手といえども、新入団選手には1軍枠を渡したくないという気持ちの表れだった。「斎藤さん1人ではなく、みんなが1軍で勝つ(チームメートと敵チームに)と考えていますから。自分も頑張って、それを勝ち抜くという意味で、ライバルと言いました」。日程が詰まってくれば、投手数を増やして野手を2軍に落とす場合も出てくる。生き残りのために、ポジションに関係なく、全員を“心の中のライバル”に設定した。

 この日公開したスポーツジム「アスリート」での阪神金本との合同自主トレでは約2時間、筋力トレーニングに汗を流した。今オフのトレーニングでは、体重が87キロから93キロへ増量。6キロも体が重くなっているにもかかわらず、垂直跳びは8センチも伸びたという。ジムの平岡代表が「びっくりした。こんな劇的な変化は見たことがない」と驚くほどの肉体改造。本人も「1、2年目のオフは自己満(足)だった。今年は比べものにならないくらいできている」と自信満々だ。

 同ジムでの体づくりはこの日で終了。今後はツインズ入りが決まった大阪桐蔭高の先輩、西岡らと合同トレを行う予定だ。「これからは技術練習。バットを振ったり、ボールを握ったりしたい。早く打ちたいですね」と、大きくなった体をウズウズとさせた。並み居るライバルたちを簡単に蹴散らしそうなほど、表情は充実感でいっぱいだった。【本間翼】

 [2011年1月6日9時28分

 紙面から]ソーシャルブックマーク