巨人原辰徳監督(52)がV奪回のキーマンに長野久義外野手(26)を指名した。11日、客員教授を務める国際武道大(千葉・勝浦市)で、昨季の新人王長野について「ものすごい潜在能力を持った選手」と、まだまだ成長途上であることを強調した。今季はチームの中心選手として「戦いのど真ん中に立ってもらいたい」と、2年目のジンクスを吹き飛ばす大暴れを期待した。

 新人王に満足せず、さらなる高みを目指してほしい。原監督は「心技体」すべてにおいて成長することを期待。長野にチームリーダーになるための“宿題”を与えた。

 長野は昨季、シーズン終盤の大事な試合でボール球に手を出す悪い癖が顔を出した。守備でのボーンヘッドもあり、精神面のもろさを露呈した。原監督は「新人王は取ったけど、まだまだ課題はある。武士であるなら刀を抜き、肉を切らせて骨を断つ。彼にはまだ、そういう厳しさが足りない。戦いの厳しさを教えていきたい」と、心の重要性を説いた。

 外角球を右方向へ飛ばす技術は球界でもトップクラスだが、課題は内角球。原監督は内角打ちが得意な坂本の存在が、相乗効果を生むとにらんでいる。「長野と勇人を足して2で割ったようなバッターが理想ですね。互いに刺激し合って、どういう打撃を完成させるか楽しみですね」。長野がグアム自主トレに参加し、阿部に“弟子入り”していることも歓迎。「いいことです。長野のパワーがあれば、あとは関節の使い方を覚えればすごい打者になる。慎之助から(打撃の)柔らかさを学んでほしい」と、貪欲に先輩から技術を吸収することを望んだ。

 原監督は「結果を出すために一番大事なのは準備」という。キャンプインの2月1日までに、猛練習に耐えられるコンディションを整えていなければ話にならない。今年は例年よりも1日前倒しして今月30日にキャンプ地の宮崎に入る予定。選手たちが現地に先乗りして行っている合同自主トレを視察し、オフの間にしっかり体を仕上げてきたかをチェックするつもりでいる。「私自身が元気でなければ、チームも元気でなくなる」。原監督も万全の体調を整えて、キャンプインに備えている。【広瀬雷太】

 [2011年1月12日9時13分

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