アニキが投げた。右肩痛からの復活を目指す阪神金本知憲外野手(42)が23日、鳴尾浜で屋外キャッチボールを再開した。大きく振りかぶった。このオフ初の屋外投球。室内での軽いキャッチボール後、伊藤トレーナーを相手に「30メートルぐらいか?

 40メートル弱ぐらいあるやろ?」と確認しながら、慎重に距離を延ばしていく。右肩の状態を確かめるように、最長約35メートルで抑えめに投げた。最後は塁間前後の距離で力強いライナー投球を4球披露した。7分間で計30球は、状態の良化を証明した。

 伊藤トレーナーは「室内で投げる予定があったし、状態が良いし暖かかったので(屋外になった)。あれぐらいは問題ない。状態がすごく良い。確認しながらキャンプに入っていきたい」と現状を説明した。

 当初はキャンプイン当日にもネットスローを再開する見込みだったが、予定より2週間以上も早く解禁。さらに屋内では軽いキャッチボールも再開していたようだ。ネットスローも含めば、このオフ7度目の投球練習だという。「キャンプ前に1回したいというのはあった」(伊藤トレーナー)という屋外キャッチボールも、あっさりとクリアした。リハビリ計画は前倒し、前倒しが続いている。

 右肩の状態次第で引退も覚悟する勝負の年。21日のトークショーでは4番奪回も宣言した。その言葉を実現に導くため、つらいリハビリに耐え続ける。3・25開幕まで、残り2カ月。金本が力強くアクセルを踏み始めた。【佐井陽介】

 [2011年1月24日9時41分

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