<オープン戦:中日4-1楽天>◇18日◇ナゴヤドーム

 静かなナゴヤドームで、中日の先発中田賢一投手(28)が黙々とプロの仕事をこなした。開幕投手の有力候補は5回2/3を3安打無失点の好投。しっかり結果を出しアピールした。

 NPBは前日17日に予定通り25日開幕を発表したが、文科省からの要請などもあり微妙な状況。前夜に続きこの日も鳴り物応援は自粛。しかも相手は東北の楽天だった。右翼席の中日ファンからは「頑張れ東北」のエール…。異様な雰囲気だったが、相手打者に集中した。

 「いつもより静かだなと思いましたが、マウンドに上がれば、対バッターを考えるだけなんで」。

 大震災から1週間。中日のオープン戦も2試合が中止になり、中田賢の登板日も変更された。9日ヤクルト戦(小牧)以来の中8日。マイナス要素を吹き飛ばすように剛球でねじ伏せた。

 3者凡退に封じた初回。打ち取ったボールはいずれも145キロ超。かつて「暴れ馬」と称された、勢いあるボールだった。吉見、チェンに続き山井も開幕が絶望的となる苦境。現状は開幕に想定されている25日に向け「やるという方向で考える。やらないなら、また気持ちを作り直せばいい」と集中した。【八反誠】