いざ、仙台へ。楽天星野仙一監督(64)が「貯金して仙台に帰る」という公約を達成した。27日の西武2回戦(皇子山)は1回裏に雨天中断。そのまま中止となった。これで貯金1で今日28日、地元入り。明日、仙台開幕を迎える。

 プールと化したグラウンドに星野監督は苦笑いした。「(先発の)ラズナー、良かったけどな。しょうがない」。大震災で長期遠征を余儀なくされた。動揺を乗り越えシーズン突入。甲子園、ほっともっと神戸と代替本拠地で戦い、7勝6敗と健闘。「みんな旅がらす。ハンディはある中で貯金1。選手を褒めてやりたい」と、ねぎらった。

 チームの高い士気を象徴するシーンがあった。中止決定後、土砂降りの中、西武斉藤がグラウンドを1周。本塁に頭から飛び込んだ。負けじと楽天ベンチから新人阿部が飛び出し、同様に滑った。ハイタッチで迎えられ、今度は「まーめ、まーめ」のコールで「まめ」こと中村が登場する。なぜか時計回りにダイヤモンドを逆走した。ところが、ベンチに戻ると、そこは無人。はめられた。ベンチ裏は大爆笑。星野監督も「(滑った人数が)2対1で、うちの勝ちやな」とニヤリ笑った。

 みんな、意気揚々だ。山崎は「気を引き締めて東北の人の前に参上したい」。明日は田中が先発する。星野監督は「マサヒロがやってくれるはず。もっと、もっと、選手は頑張らんとな」。待ってくれた東北のファンに最高のプレーを。その時がやって来た。【古川真弥】