<横浜5-2巨人>◇29日◇横浜

 あの手、この手、その手。巨人原辰徳監督(53)の執念采配も実らず、3連戦3連勝に失敗した。原監督は「全員でやってね、この結果ですから。次につなげると言うしかありませんね」と、敗戦を受け入れ、切り替えを強調した。

 あの手。2番に高卒3年目21歳の中堅・橋本を起用した。前日まで3試合連続スタメン8番に名を連ね、3試合とも安打を放った。高卒4年目・藤村へのライバル意識もむき出しにする強いハートが売りの若武者。前日は初の2安打と気を吐いたが、この日は1回こそ四球で出塁したが無安打に終わった。

 この手。前夜の9回土壇場逆転劇「茂ちゃんフィーバー」の立役者、古城を7番三塁で先発させた。この日も7回に安打を放ち、終盤に勝負強さを発揮したが、2夜連続のドラマをつくるには至らなかった。

 その手。7回無死一、二塁で代打ラミレス。4点差あったが、仮に本塁打が出れば1点差…。期待は膨らんだものの、結果は中飛。ただ、もう1打席を見越して、ラミレスを左翼に入れる、攻撃的布陣を終盤に採用した。実際、9回に打席は回る。だが、右飛と結果はでなかった。

 継投も代打も歯切れよくタクトを振ったが、先発西村の乱調がすべてだった。ここまで先発12試合はチームに9勝をもたらす安定感だったが、この日は今季最短2回1/34失点KO。「ストライクを取ることに一生懸命だもんね。今日は一番良くなかったかな」。今季初の貯金5も逃したが、原監督の言うように、悔やんでいる時間はない。戦い続けるのみだ。【金子航】