ソフトバンクからFA宣言した杉内俊哉投手(31)が19日、都内のホテルで巨人と3度目の交渉を行い、入団を表明した。午前中にはソフトバンク側に断りを入れ、そのまま上京し、自ら巨人への入団意思を伝えた。

 巨人移籍を決めた杉内は19日、福岡市内の球団事務所で涙を流しながら退団を表明した。移籍の最大の決め手は、球団への不信感。1年前の契約更改交渉で、代理人の酒井辰馬弁護士(45)が球団幹部から「FAしても名乗りを上げる球団はない」と、耳を疑う発言を受けていたことを明かした。

 これまではFA宣言した理由を成果報酬型の年俸制度に不満があるとし、球団に改善を訴えていた。球団側は笠井オーナー代行が14日の交渉で直接出馬し、FA権を取得した選手は年俸の固定制と変動制を選択できるシステムを導入すると明言。だが、最後まで問題発言のわだかまりは解消できなかった。

 杉内は「昨年のちょっとしたことで心境に変化がでた。個人の感情的なもので移籍するのも大人げないとも思う。でも感情が元に戻ることはなかった」と唇をかんだ。