母からの手紙が宝物-。オリックスのドラフト1位安達了一内野手(24=東芝)が9日、同期9人(育成2人を含む)と一緒に神戸市内の「青濤館」に入寮。定位置争いを期待される安達はサプライズで受け取った母からの初めての手紙とともにプロに飛び込む。

 「手紙なんて初めてだったのでジーンときました」

 神戸に向かう新幹線のチケットを買おうとした時だった。財布にひっそりと忍ばせてあった封筒に気づいた。母清美さん(52)から「てんぐにならずに頑張れ」と、したためてあった。社会人からドラフト1位での入団だが、謙虚な気持ちを忘れれば、プロの世界で明日は保証されない。神戸に向かう車中、母のメッセージを読むと、いろんな思い出とともにグッとこみ上げるものがあった。

 「部屋の机の中に入れておきます。何かの機会があれば、また読み返したい」

 今日10日からは新人合同自主トレがスタートする。安達は、岡田監督から副キャプテン大引啓次内野手(27)との遊撃ポジション争いを奨励されている。「やっと始まるかなという感じ。野球漬けです。開幕1軍を目指して、全部を見てほしい。グラウンドは別ですから」。母からの金言を心の励みにして、グラウンドでは暴れ回る覚悟だ。【益田一弘】