“鉄の爪”を持つ男が、世界の王に弟子入り志願!

 ソフトバンクが獲得した新大砲ウィリーモー・ペーニャ外野手(30=前マリナーズ)が30日、福岡市の球団事務所で入団会見を行った。2年契約で年俸1億4000万円プラス出来高、背番号は8。メジャー84発男は868本塁打の世界最多記録を持つ王貞治球団会長(71)を尊敬しており、初対面でいきなり指導を直訴した。

 「素晴らしい記録。日本と米国の違いがあるとは言え、これほどの成績を残すことは本当にすごいと思っている。僕としては指導をお願いした。打撃練習を見てから教えると言ってもらえた」

 球団から4番DHで期待される大砲。昨季は約160メートル弾をかっ飛ばした怪力だ。入団会見で握手した秋山監督は「痛いよ」と苦笑い。握力も人並みはずれ、鉄の爪を持つ男と呼ばれた往年の名プロレスラー、フリッツ・フォン・エリックを想像させる。パワーはけた外れ。そして勤勉で努力を欠かさない男でもある。

 「握手する時は、しっかり握るのが米国では礼儀なんだ。イチロー選手と同僚だったけど、彼は練習にも試合にも、いつも全力投球。そういう姿勢を持たないといけない」

 飛距離は、けた外れ。外野の大型スクリーンが破壊された時のため、球団は“ペーニャ保険”をかけることも検討中だ。周囲の期待は高まるばかり。だが、本人はさらなるレベルアップのため、王会長から打撃の極意を学ぶつもり。

 「本塁打を打つためだけに日本に来たわけではない。このチームが王者であることは知っていた。王者になるために何でもやるさ」

 怪力自慢の飛ばし屋は日本の野球に順応するため、世界の王から打撃を学ぶ。【奈島宏樹】