ソフトバンク摂津正投手(29)が「エース流イブ調整」でキャンプ地に乗り込んだ。1月31日、チームは午後便で福岡から宮崎へ移動。その6時間前、摂津は福岡ヤフードームに出向いた。
ランニングとネットスロー。1人だけの静かな室内練習場に小さな吐息とネットのこすれる音が響いた。「軽めです。昨日は動かせなかったので」。言葉は短くてもキャンプ前日に調整した事実が、今季にかける思いを物語っていた。
巨人に移籍した杉内も、例年キャンプ移動の直前に練習していた。エースと呼ばれた男の“儀式”をなぞったことが自覚の表れ。杉内移籍の際はこう語った。「まだまだ教えてもらいたいことがたくさんあった。人間的に尊敬できる先輩。残念だが、その分頑張らないといけない」。和田とホールトンも退団した今、先発の柱がジッとしているわけにはいかなかった。
昨年は先発転向1年目で14勝を挙げ、ポストシーズンでは中継ぎもこなす働きで日本一に貢献した。合わせて43勝した先発3枚を欠き、他球団のマークも集中する今年、例年以上に大切なキャンプが始まる。
福岡空港の集合時間を「間違えました」と1時間早く勘違いし、A組(1軍)で1番に到着したのも、いい意味でやる気の表れ。今日1日のブルペン入りについては「分かりません」と明言を避けた。余計なことはしゃべらない。背中で示していく。中継ぎエースから先発エースへと変貌する1カ月が始まる。【押谷謙爾】



